
大峯奥駆け 逆峯
山行日:2008年4月28日〜5月5日
修行者:さたやん・S嬢
山に親しみ始めた頃から「大峯奥駈け」・・この言葉の響きに魅せられていたんです。
今まで幾度となく大峯に入り、1300年もの古より修行の道として存在している歴史の重さ、人里を遠く離れた深山の素晴らしさを体感して来ました。
「さてっと、そろそろ一区切り付ける時期なんじゃないかな?」
そんな想いで逆峯(吉野〜本宮)での修行の始まりです。

吉野駅8:00〜蔵王堂〜水分神社〜金峯神社〜青根ヶ峯〜四寸岩山〜仁蔵小屋〜五番関17:00(泊)
桜の季節も終り閑散とした吉野駅から始まりです。
七曲から蔵王堂へ・・・6日+αのザックが重いぞ!
蔵王堂で入峯のご挨拶と安全祈願をします。
吉野の街中を下〜中〜上〜奥へと歩み、水分神社・金峯神社にご挨拶&名残の桜を眺めながら淡々と歩きます。
あぁ〜ぁ〜バスに乗りゃ良かった・・・でも入峯ですから歩くんですよね?
金峯神社を過ぎて、やっとこさで青根ヶ峯ですが、まだ山道には出合えません。
四寸岩山の手前までアスファルトなんですよ。
四寸岩山へは古道で上がりますが、毎度の事ながらこれが結構な急登なんですよね。
ヒィ〜ヒィ〜で頂上に上がり、これから歩む奥駈けの山々を望みながら大休止。
先は遠〜いぞぉ〜〜、歩けるんかいな?
ずんずん下って足摺小屋へ、そして林道出合いを過ぎ先月に山友会でお泊り&宴会の仁蔵小屋に到着です。
先着のお泊りの方が3名おられました。
暫くお話をして、まだ時間に余裕があるのでもう少し進みます。
気合を入れて、さぁ!大天井岳へのキツイ登りだぁ〜!・・・ですが今回は水補給の為に在来道を歩くんですよ(笑)
でっ五番関に着きましたが誰もいません。
テントを設営して定番のカレーを食べながらウィスキーをチビチビと楽しみます。
いつも想う事なんだけど、テント設営後の煙一服とお酒は旨いんだよなぁ〜♪
携帯電話に仕事の連絡有り・・・まだ俗世間とは離れていないんだ〜と実感です。


五番関6:00〜山上ヶ岳〜小笹宿〜阿弥陀ヶ森〜大普賢岳〜七曜岳〜行者還岳18:00(泊)
山で迎える朝は清清しくって何度経験しても気持ちの良いもんです。
女人結界門を抜け、ひんやりとした尾根歩きを楽しみますが、洞辻茶屋を過ぎるといよいよ修験道の聖地の雰囲気が漂い始めます♪
今回は入峯ですからトラバースではなく表行場への道を選択しましょう。
鐘掛岩〜西の覗きで眺望を満喫し独特の雰囲気の山中を大峯山寺へ辿ります。
宿坊は戸開けを数日後に控えて準備に忙しそうです。
定番スポットのお花畑に座り稲村ヶ岳・大日を眺めながらの大休止&朝食。
静かな大峯山寺を辞しフラットな尾根歩きで小笹宿へ・・・予定のない週末はよ〜くココでテン泊したもんです。
小笹宿でタップリと水の補給をするんですよ。
次の水場は行者還岳の雫水ですが、細いですから当てにしてはいけません。
確保した大切な水なんだけど、これがマジに堪えるんだよなぁ〜(涙)
阿弥陀ヶ森の女人結界門を抜けトコトコ進んで小普賢岳への登りです。
「あれっ?こんなにきつかったっけ?」
小普賢岳から大普賢岳へ・・・ピークへは危うくトラバースしそうになり引き返す羽目に=奥駈道から来ると頂上への道標が見えないんですよ。
大普賢岳からの眺望は素晴らしく文句なし!
頂上を辞し弥勒岳と国見岳は経験済みだからパスして七曜へ向かいますが、途中に「稚児泊」を通ります。
ココは何時もの事なんだけど何だか妙な気配を感じる場所なんです。
心霊スポットなのか精霊さんの集会場なのか?
一度と泊まってみたいと想いつつ未だ実現していません(怖くって・・・。)
この時点で体力消耗がひどく行者還岳への予定時間から大幅に遅れています。
なんとしても本日中に行者還まで進まないとエライ事になっちまうのです。
今回の奥駈けには残雪の燕岳を回避して急遽参加の山友会S嬢が待っているんですよ。
S嬢は結界内へ入ってはいけないので行者還岳から合流です。
女人結界は賛否&諸説が賑やかですが、取敢えず大峯山寺さんはお断りされてます・・・守ってね(笑)
何度も休憩を取りながらトボトボと歩いて七曜岳へ・・なんと!S嬢が行者還小屋にザックをデポして迎えに来てくれていました=ビールも持参です!=至福のグビッ〜♪
ヘロヘロで七曜岳を越し和佐又への道を左に見送り、みなきケルンを過ぎれば行者還岳はすぐそこです。
行者の雫水は細いですが補給には充分でした(歩荷した水って、なぁ〜に?)
夕飯はS嬢が持参してくれた「レバニラ炒め・鯖寿司・巻き寿司&ビール」の豪華メニューですよ〜激感謝!!
(余談1)S嬢はビールを9本持ち上げていたんですね。 強力にビックリです!
(余談2)小屋では既に寝ている方達が居て食事は外で摂る羽目に・・・おいおい!6時に寝るんか〜?


行者還岳6:30〜弥山〜八経ヶ岳〜明星ヶ岳〜舟のタワ17:00(泊)
本日からS嬢が参戦です。
バイケイソウの道を辿り、一ノタワ〜西口出合〜弁天の森へ・・・ホント季節を問わず何度訪れても癒される場所ですね。シロヤシオの頃に再訪しようかな♪
聖宝宿で理源大師様にご挨拶し、胸突き八丁をヒィ〜ハァ〜フゥ〜、途中から眺める大普賢〜小普賢〜日本岳の稜線は格好良いんです。
弥山は連休中にも関わらず静かです。 弥山=須弥山=大峯山塊の中心です。
世界遺産になってから奥駈けの意味すら理解していない団体様が多いのと、小屋番の態度には閉口するのは僕だけでしょうか?
弥山〜八経ヶ岳の鞍部で池ノ谷へ下り水の補給をします=ついでにゆっくりと昼食タイムです。
今年は雪が深かったですから、今後の水場も期待が持てそうです。
近畿最高峰の八経ヶ岳でまったりと大休止♪
八経ヶ岳から残雪を踏み明星へ・・・楊枝ノ森までは神仙平と七面山を眺めながらのパノラマコースです。それにしても今日はエエ天気ですぅ〜♪
お喋りが過ぎて真面目に歩かなかったのかな?
「今日はこの辺りで堪忍しといたろぉ〜」と舟のタワでテント設営としました。
テントさえ持てばドコでも休めますから気分的には楽ですよ。
(余談)弥山の新築トイレは¥100也 トイレットペーパー有り。


舟のタワ6:00〜楊枝ヶ宿〜仏生ヶ岳〜孔雀岳〜両部分け〜釈迦ヶ岳〜深仙宿12:30(泊)
夕べは鹿さん達がテント近くまで来て鳴いていましたが、S嬢は全く覚えがないようです(爆睡ですね)
今日は化粧直しをされたお釈迦様にお会いします。
楊枝ヶ宿は素通りして、仏生ヶ岳のピークはドコなんだろう?って見上げながら仏生横駈けを行きます。
次は孔雀岳(孔雀が羽根を広げた様に見えるらしいけれど、ドコから見たのかな?)
鳥の水はチョロチョロだけど補給には充分です・・ちょっと昼寝♪
この辺りから強風が吹き空模様が怪しくなり始めるんです。
晴天だと正面に釈迦ヶ岳を、左に羅漢様を、右には遠く金剛葛城を望みながらの展望コースなんですが、ガスに閉ざされて見えません。
金剛界と胎臓界の両部分けから橡の鼻へ・・・奥駆けのハイライトでしょう!
釈迦ヶ岳への急登をこなし、お会いしたお釈迦様は輝いておられました・・・合掌。
昼食を済ませた後、水補給の為に千丈平へ下ります。
千丈平は良好なテント場ですが今日は無人で鹿さん達が遊んでいます。
水は充分に出ていました。深仙へのトラバース道を辿る頃から風と雨が強くなり、深仙宿で暫く様子を見ますが回復傾向が見えず沈殿とします。
時間はまだ昼過ぎで先へ進みたいけれど、雨中でのテント設営は辛いですもんね(笑)
時間と共に避難小屋は満杯になったので有り難く「権頂堂」をお借りしました。
(余談1)釈迦ヶ岳って「ほんみち教」の所有地なんですよ。お釈迦様の解体修理も「ほんみち教」と「新宮やまびこグループ」のボランティアで行われました。
(余談2)孔雀で戸開式へ向かう行者さんに出会ったんですが、なんとこの御仁は去年の奥駈け時に楊枝でお会いしていた行者さんでした。お互いに「おぉ〜!縁があるんやなぁ〜♪」なんて言葉を交わし、私的には偶然の再会にちょっと幸せを感じてしまいました。S嬢は行者さんが珍しくて記念撮影です(笑)


深仙宿6:00〜太古の辻〜天狗岳〜地蔵岳〜涅槃岳〜持経宿14:30(泊)
結果として終日に渡り強風と雨の一日となりました。
大日岳は経験済みなのでパスして太古の辻へ下ります。
さぁ〜南奥駆けの始まりですよ〜♪ ってテンションを上げたいんですが強風と雨で意気消沈です。 南奥駈けには目立って高い山はありませんが独立峰が多くアップダウンの繰り返しで歩荷が堪えるコースが準備されています。
雨でぬかるんだアップダウンを何度も繰り返し進んで行きます。
眺望なんて全く望めませんし強風&雨中ですから休憩もままならず、ひたすら歩くだけとなりました。 奥守岳を下った嫁越峠は、以前は一間幅で奥駈け唯一の女性が通れる場所だったそうです・・・って?こんな山奥を女性が通るんかいな?
文字通り「嫁入り」ですか〜? そりゃ無謀でしょう。
でもS嬢の嫁入りを期待して記念撮影をしましょうね(笑)。
山名をいちいち挙げるときりがないので(8座かな?)、文句タラタラで直登&直下降をウンザリする程繰り返し、びしょびしょドロドロ状態で持経宿へ到着です(水場は林道歩きで10分の沢です)
ココは「新宮やまびこグループ」の管理小屋で無人ですが広くて快適ですよ♪
こんな悪天候では進む気持ちもなく沈殿としました。
囲炉裏で薪を燃やし濡れた雨具や衣類を乾かします。
昼食と夕食を兼ねて「ラーメン、野菜炒め、ご飯、ウィスキー&肴」で満腹です。
悪天候で日程に遅れが出ているし、明日も雨中だと行程の見直しをしなきゃいけません。
(余談)囲炉裏で温まったのは幸いだったけれど、干していた衣類にスモーク臭が染み付いてしまい閉口です。


持経宿5:30〜平治宿〜転法輪岳〜倶利伽羅岳〜行仙岳〜行仙宿〜笠捨山〜地蔵岳〜貝吹金剛18:00(泊)
夜明け前に外に出ると満天の星空が広がっていました♪でも今日中に玉置山まで辿り着ける訳がありません。
ドコで寝るかは出たトコ勝負で歩き始めます・・テント泊の自由さの成せる技でしょう♪ 平治宿も「新宮やまびこ」さんの管理小屋ですが、私的には持経宿をオススメします。 ココで朝食と水の補給です(水場は8分くらい下ります)
本日のコースはホント堪えました。
直登、直下降、クサリ、岩場のへつり・・・(涙)
転法輪岳ってドコやった?記憶にないぞ?
倶利伽羅の下りは水を含んでまるで滑り台です=去年に某村民のピッケルさんにお逢いしたトコです。
行仙岳の直登を疲れきってこなしますが頂上は俗世間の匂いプンプンの通信鉄塔だらけです。
ココの奥駈け道標から半径1mの狭い範囲のみ携帯が通じますよ(笑)
早々に辞し「新宮やまびこグループ」本拠地の行仙宿へ下ります。
「新宮やまびこグループ」は行仙宿を拠点に奥駈けの補修や点検をされています・・・感謝です。
去年はココでやまびこの人達と出会い薪割りのお手伝い=昼飯とビールをご馳走になりました♪
計画では水補給なんだけど、ココの水場は豊富だけどメチャ下るんですよ。
今から進む笠捨山〜槍ヶ岳〜地蔵岳を考えると歩荷したくないのだ。
懐かしい思い出に浸りながら水の不安を抱えつつ笠捨山へと歩みを進めます。
笠捨山はね・・・うぅ〜ん眺めは良いけれど、メチャきつい登りにしてはどぉ〜って事ないかなぁ〜。
妙な同祖神やオブジェがあったりして、修験道と関係なさそうに思えるんだけど・・・何でしょね?
次の槍ヶ岳ってドコにあったんだろう?
地蔵岳って地図にも危険マークが表記されているだけあって、マジに尖がっていて岩とクサリの危険箇所だらけです。ザックが大きいですから振られるし、枝に引っかかるし、ヒヤヒヤの連続です。
そしてドンドンと歩いて行くんだけど、寝る場所をそろそろ決めなきゃいけません。
結果として地図にテント泊適地と表記されている貝吹金剛でテントを張ったけれど、単なる道端じゃないですか!そんな道端なんて山中に幾らでもありますよ!
(余談)笠捨山を下りきった葛川辻に「水場表示5分」がありますが水場は見当たりません。S嬢は倒木だらけの荒れた沢をとうとう下りきって水を確保しちゃいました・・・往復1時間!凄い馬力です。


貝吹金剛6:00〜花折塚〜玉置山〜玉置神社〜大森山〜五大尊岳辺り16:00(泊)
玉置山まで徐々に高度を上げて行きますが、幾度となく林道を横断し古道の雰囲気が薄れていきます。
かつえ坂を登り詰めた玉置山の頂上は「ふぅ〜ん、玉置山なんだ〜」ってな感じだけで早々に神社へ下ります。
玉置神社では何かしらの祭事があったのかな?
おにぎり&お味噌汁が供されていたので感謝しながら2人で7個ゲットです(昼食はこれで完了♪)ついでにお神酒をタップリと味わさせて戴きました・・・感謝です♪
今回は時間の制約があったので昼食&観光での2時間ほどの滞在でしたが、古色蒼然とした玉置神社のみ訪れる価値は十二分にあると思います。
後は特に書きしるす内容も無く淡々と歩んだだけかな(笑)・・・道端でテント泊


五大尊岳辺り5:00〜大黒天神岳〜七越峯〜熊野川〜大斎原(旧社地)〜熊野本宮大社13:00〜湯の峯温泉
いよいよ奥駈けも今日で終わりを迎えると思うと少し寂しい気持ちになります。
夜半よりの雨が止まず本日も雨中の1日となりました。
この辺りは既に古道の雰囲気はありません。
五大尊岳のピークは二つあってね、その間は30分も歩くんです・・・何故?
標高は徐々に下がるんですがノコギリの様なアップダウンを繰り返し、ピークを何度も超えます。
結構な精神的疲労があるんですが、眼下に見え隠れする熊野川に元気付けられます。
七越峯は綺麗な公園として整備されていて既に里に着いたと実感です。
やっと辿り着いた熊野川は増水していて渡渉は無理と判断し備崎橋へ迂回して大斎原へ・・・大鳥居をくぐり八咫烏の迎えを受け熊野本宮大社へ着きました。
数年前に高野山から小辺路を辿り本宮へ至った記憶が鮮明に蘇り「着いたんだなぁ〜」って感じです。
本宮大社で峯入りの御礼を済ませて、今回の入峯は成就としました。
さぁ〜!取敢えずは「湯の峰で温泉とビールだぁ〜♪」
一週間振りの街並みが新鮮に感じられます。
(余談)湯の峯の浴場で倶利伽羅紋々の方に声を掛けられ、湯船で暫し世間話を交わしました。奥駈けの最後に倶利伽羅紋々ですから〜〜〜大峯との妙な符合に苦笑です。

今回は7泊8日の入峯となりましたが、振り返ってみれば本当に短い時間であった様に感じています。
当初の予定より延びたのは天候悪化と歩荷量でした。
出会った人達では軽量化に徹し粗食(玄米粉)で歩いている方、テントではなく小屋泊りのみとする方もおられました。
私達も基本装備を除き、食材を我慢し小屋泊りに徹すれば歩荷は軽減出来たでしょうが、奥駈け=山で生活するイメージを主に考えればマイナス要因ではなかったと思います。
奥駈けのスタイルはそれぞれの志向に沿って考えれば良いと言う事でしょうね。
山を愛する人達に助けられ、大峯奥駈けを終えられた事に感謝しています。
☆参考までに水場を記しておきます。
中千本・横川覚範首塚=水飲場あり:確実です。 金峯神社=手水:飲料可能です。 仁蔵小屋=8分:不確実。 仁蔵小屋〜五番関への在来道=沢あり:確実です。 小笹宿=沢あり:確実です。 行者還岳・雫水=不確実。 弥山〜八経ヶ岳鞍部=池の谷・弥山川源頭部:確実です。 楊枝ヶ宿=不確実。 鳥の水=不確実。 千丈平=確実です。 深仙宿=雨中にも関わらず香精水は枯れています。 持経宿=林道歩き8分沢あり:確実です。 平治宿=8分:確実です。 行仙宿=10分:確実です。 葛川辻=5分の表示あり:存在しません。 地蔵岳〜四阿宿の鞍部=10分の表示あり:確認はしていません。 玉置神社=水飲場あり:確実です。
文・写真=さたやん
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